市川優の短編書房

小説、漫画などの短編作品を紹介します

2020-04-25から1日間の記事一覧

【漫画】藤田和日郎『邪眼は月輪に飛ぶ』未知なる恐怖に立ち向かうために必要な心得とは

藤田和日郎『邪眼は月輪に飛ぶ』(小学館) // リンク 自分が理解できぬ存在に、人間は恐怖を抱く。そして、その恐怖の対象を隔離または排除するなどして人類はその歴史を歩んできた。 本作で恐怖の対象となるのは、一匹のフクロウである。それに見つめられ…

【小説】重松清『卒業』数字だけでは見えない、自殺者そして残された者の思いと記憶

重松清『卒業』(新潮社) // リンク 現代の日本において、「自殺」は深刻な社会問題の一つである。 ただ、その問題の取り上げ方は自殺者数という数字に偏った語りが多く、自殺者、そして周りの人々への思いへの意識が欠けているように感じていた。 本作のテ…