2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧
尾田栄一郎『ONE PIECE』(集英社) // リンク 時は大海賊時代。いまや伝説の海賊王G・ロジャーの遺した『ひとつなぎの大秘宝』を巡って、幾人もの海賊達が戦っていた。そんな海賊に憧れる少年ルフィは、海賊王目指して大いなる旅に出る!! 総合電子書店「ゼ…
萩尾望都『トーマの心臓』(小学館) // リンク 冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。トーマ・ヴェルナー。そして、ユーリに残された1通の手紙。「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオス…
浅野いにお『虹ヶ原ホログラフ』(太田出版) // リンク 過去と現実、そして夢が交錯した複雑なストーリー構成。 同じ地点に同一の登場人物が存在するといった時間SFの要素。 牛の体と人間の顔を持つ妖怪「件」や、怪物の存在を象徴する「蝶」といった超自然…
高橋源一郎『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』(集英社)より 『ガドルフの百合』 // リンク 宮沢賢治の作品タイトルを原題のまま使い、小説家が独自の新たな世界を構築した物語群の1つである。 主人公のガドルフはホテルのような部屋のベッドで目を覚…
岸虎次郎『岸虎次郎作品集 冗談だよ、バカだな』(太田出版) // リンク 相反するものを持っている者の存在によって、自分の中の相反するものが揺さぶられる。 イケメン男子トモと女性のように美しい男アサは中学の同級生。ある日の体育の授業で、トモはアサ…
岡崎京子『ヘルタースケルター』(祥伝社) // リンク 私の姿を形作るのは、他者の欲望である。 カリスマ的な魅力を持つ女性りりこは、モデルやタレント、女優として絶大な人気を誇っていた。しかし、彼女の美貌には秘密がある。それは、その美しさが整形で…
マッチロ『BIBLIOMANIA』(おおばる脚本、コミックダイス) // リンク 内側の世界に閉じこもるのと、外側の世界に飛び出していくのとでは、どちらがより幸福になれるのであろうか。 少女アリスは目が覚めると真っ白の空間にいた。そこで「ヘビ」と名乗る怪物…
志村貴子『志村貴子作品集 かわいい悪魔』(太田出版) // リンク 魔女についての解釈がなかなか面白い。この漫画家にとって魔女とは、日常に溶け込む存在なのである。 ある日、男の子は若い女性の姿をした魔女と出会う。そして彼女は、男の子の家族の一員や…
平山夢明『暗くて静かでロックな娘』(集英社) // リンク 大切な人の存在を認識させるモノとは何か。 男はある女と出会う。彼女は目も見えず、耳も聞こえないのだが、彼の香りに強く反応して彼の腕に抱きついた。そこから二人の物語は始まる。 彼女は彼女の…
寺田克也『ラクダが笑う ファイナル・カット』(徳間書店) // リンク 暴力、セックス、金。B級エンターテインメントの要素がたっぷりと詰まった1作である。 主人公の男ラクダはとんでもないチンピラであり、巻き込まれた様々な事件を圧倒的な暴力で解決して…
真鍋昌平『アガペー』(小学館) // リンク タイトルの「アガペー」とは、キリスト教における愛を意味し、自己犠牲的・非打算的な愛を指すという。本作ではこの愛を「アイドル」と「アイドルオタク」の関係として表現したのだろう。 主人公は地下アイドルを…
藤子不二雄Ⓐ『藤子不二雄Ⓐブラックユーモア短篇集①』(中央公論新社)より 『ひっとらぁ伯父サン』 // リンク <ひとつミョーな漫画を描いて、人をオモシロがらせてみたい!>。漫画家はあとがき「奇妙なものへの憧れ」で、ブラックユーモア・コミックを描く…
ふみふみこ『女の穴』(徳間書店) // リンク 本作において「穴」とは「目」を意味する。 男性教師は、クラス内のある女子高生の目が「ぽっかり空いた穴みたいでなんかこわい」と思う。そして、女子高生は彼にこう打ち明ける。「わたし異星人なんですよ」と…
ヤマシタトモコ『Love,Hate,Love.』(祥伝社) // リンク 何かを失ったら、何かで補完したいという心理が働く。本作の場合でいえば、恋愛が空虚を埋める役割を果たしているのだろう。 主人公である28歳の女性バレエダンサーは、舞台に立つダンサーの道を諦め…
中村明日美子『曲がり角のボクら』(白泉社) // リンク 高校生たちの恋愛青春漫画といえば、少しありきたりな印象を受けることだろう。だが、やや複雑な恋愛関係と役割を加えることで物語は広がりを見せる。 男女4人の高校生がメインとなる登場人物である。…
ゴトウユキコ『36度』(講談社) // リンク 漫画制作に呪われた者にとっての「救い」とは? 主人公である32歳の女性漫画家は、担当替えで長年付き合いのあった女性編集者と別れることとなる。新しく担当に付いたのは、29歳のイケメン編集者。 主人公はその編…
榎本俊二『斬り介とジョニー四百九十九人斬り」(講談社) // リンク あとがき漫画で、漫画家は本作のアイデアとして編集者に「とてもヒドイ話で侍がひと太刀で何百人も斬り殺すんです」とこぼしていた。まさにその通りの漫画である。 ストーリーは至ってシ…
高橋留美子『高橋留美子傑作集 運命の鳥』(小学館)より 『運命の鳥』 // リンク 他人の未来が見えるとしたら、自分は何を考え、そしてどう行動するだろうか。 主人公である喫茶店のマスターは、小学生の時以来、人に鳥が付いているのを見えるようになる。…