鶴田謙二『ポム・プリゾニエール』(白泉社)
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ページをめくるたびに、これでもかと裸女が出てくる。
鶴田謙二は『ひたひた 鶴田謙二イラスト集』(白泉社)でも本作と同じように、裸女を描いていた。恥毛や腋毛を生やした女性の裸は自然的であり、どこか清々しささえ感じる。
少女でもなく、大人でもない年頃の女性をモチーフにし、動物的であり理性的でもあるとともに、男性的かつ女性的でもある貴重な瞬間を切り取っているかのようだ。
セリフも少なくし、大ゴマを使って体を大胆に見せ、漫画というよりはイラスト集のような趣きもある。
肉感的な表現をそぎ落とし、シンプルな線で構成された裸は、健全でありながらも、どこか危険な香りを放ち、見る者を強く惹きつける。